星新一がデビューしたころ
で、「すっ、すばらしい ガンダム対ボッコちゃん史上最大の対決」への補足である。
「あれ? 「ボッコちゃん」て「宇宙塵」からの転載だけど、処女作じゃなかったよな、と、チェックしてみると、かの星新一さんでさえも、完全版の書誌(ビブリオグラフィー)はまだないみたいなのね。
そこでチェーック!
「自作の年譜」@星新一の世界
>昭和32年/1957年
>30歳
> SF同人誌「宇宙塵」に書いた作品「セキストラ」が江戸川乱歩編集の
>「宝石」11月号に転載となった。その号には仁木悦子の乱歩賞受賞後の
>第1作「粘土の犬」ものっている。つづいて「ボッコちゃん」「おーい
>でてこーい」なども「宇宙塵」から「宝石」に転載となり、同誌の常連
>執筆者となる。作家としては、まさに幸運な出発であった。
1957年5月、同人誌「宇宙塵」創刊。発行は「科学創作クラブ」、代表は柴野拓美。UFO研究の「空飛ぶ円盤研究会」会誌「宇宙機」別冊として企画、独立。
「研究会」会員でもあった星新一は創刊号にエッセイ「ある考え方」を寄稿。第2号(同年6月号)に中編「セキストラ」を発表、SF作家としてのデビューをはたす。
ただし、活字になった作品には、これ以前にも1949年の「狐のためいき」(「リンデン月報」掲載)と、雑誌に掲載された「小さな十字架」がある。
「小さな十字架」については、改めて確認した限りでは、「セキストラ」以前であることは確実だが、発表年次、掲載誌はいまだ不明であるようだ。また、「リンデン月報」の詳しい素性についは、やはり、手元の資料ではわからなかった。「リンデン」というと、計測器のメーカーの「林電工」が連想されるが、ここの設立は資料では1961年。PR雑誌であることは間違いないのだが。
ツッコミよろしく。
「宇宙塵」にはさらに3号(7月号)に「(落語)知慧の實」を、6・7号(10月11月号)には「火星航路」(上下)(『宇宙塵傑作選 日本SFの軌跡 1』、出版芸術社)を寄稿。
「宇宙塵」の編集実務のほとんどは、代表の柴野拓美がおこなっていたが、最初の数号は、星新一が校正作業を手伝っていたという。
同じ1957年暮れ、江戸川乱歩編集のミステリー専門誌「宝石」(のちの「月刊宝石」「週刊宝石」は同誌の誌名のみを継承)に「セキストラ」が転載される。江戸川乱歩への紹介者はミステリー作家の大下宇陀児。
「ボッコちゃん」は、翌1958年、「宇宙塵」2月号に、同誌発表のものとしては3作目のSF作品として掲載される。この作品により、ショートショートという作品形態に開眼。
……、ごめん、手元の資料ならびにネットでは、「ボッコちゃん」掲載の「宝石」月号わかんなかった。
そこらへんよろしく>ロートル諸君。
1958年、「宇宙塵」に掲載された作品はほかに、「空への門」(3月、9号)、「環」(4月、10号)、「愛の鍵」(6月、13号)、「弱い光」(7月、13号)、「おーい でてこい」(8月、15号)と、「栓」(10月、16号)があり、言わずと知れた「おーい でてこい」以外にも「愛の鍵」が、のちに単行本に収録されている。
翌1959年の同誌への寄稿は、小説にしぼれば「収穫」(1月、18号)、「タイムマシン」(3月、20号)「泉」、「遺品」(8月、24号)がある。
1959年にはまた、最初の単行本『生命のふしぎ』が新潮社から発行されるが、これは「小国民の科学」と題するシリーズの一冊で、児童向けの科学解説書。
1960年、書き下ろし作品が「宝石」や創刊まもない「ヒチコック・マガジン」にも掲載され、年末には、やはり創刊したばかりの「SFマガジン」にも12月号デビュー。「ヒッチコック・マガジン」の編集長は小林信彦。
1963年2月、最初のSF短編集『人造美人』刊行。装丁は六浦三雄で挿絵はなし。この単行本は同年の直木賞候補となる。同年8月、2冊目の『ようこそ地球さん』刊行。装丁は真鍋博。
『人造美人』が『ボッコちゃん』と改題、真鍋博のイラスト入りで刊行されたのは、1971年、新潮文庫から。
で、ここで大疑問。はて、「ボッコちゃん」の、真鍋博によるイラストが実際に描かれたのは、この時はじめてなのでありましょうか?
手元に古い「SFマガジン」がないので記憶だけで書くのだが、同誌掲載の『夢魔の標的』(1963)も確か真鍋博のイラストで、だあいぶ前から星/真鍋コンビは成立していはず。
新潮文庫の『真鍋博のプラネタリウム―星新一の挿絵たち』は、アマゾンによれば入手可能なようだけど、手元になし。ここにはそこらへんのこと載っているのだろうか?
教えて偉いヒト。
典拠元。
星新一ひみつ倶楽部
ひみつリサーチ1001
初出誌リスト 作品編
「『宇宙塵』掲載主要記事一覧(創刊号~194号)」
「宇宙塵四十年史」編集委員会編、『塵も積もれば…宇宙塵四十年史』、出版芸術社、1997。
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装幀:江口まひろ
「SF書籍データベース、SF雑誌データベース」


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