11月26日金曜日、『イグルー』がらみでおねだりしたかいがあったのか、ありがたくもプロデューサーじきじきでお電話があり、『Ζガンダム--星を継ぐ者』試写に行く。
ファンタでも上映したことだし、メディア向け試写も頻繁にやってるのかと思ってたら、築地松竹試写室での試写は、「スタッフ向け内覧」とのこと。
連絡では、水曜の24日だと調布の東京現像所での試写だっらのだ、そう言えば。
ああなんてなつかしい。
それにしてもいまだに現像所試写……。ううむ、まだまだ直しがあるのだろうか?
いや、必ずしも間違いとはいえないかもしれないとゆうそのわけは、終わって外に出たら、ありゃま、富野さんがなにやら、どなたかと話しこんでるじゃないか。
関係スタッフへの挨拶かねての来訪かもしれないけど、あのう、音楽担当の三枝成彰さんもいらしてるんですけど、監督……。
三枝さん、中途で身をのりだしてたけど、好きなのかなあ、アニメとかガンダムって、おいおい、Ζ、ΖΖのTV放映版も逆シャアも、まだ本名の三枝成章名義のころの三枝さんじゃないか。(おお、なかむらたかしさんの『パニパルウィット』も三枝さんの担当か! しかも、本格的な映画音楽担当の最初は、わあい『台風クラブ』だ)
ダイジェスト化にまつわる諸問題で心配してたの、キャラ芝居の方だったんだけど、意外にもこっちは綺麗に整理されてて、新作の絵とのバランスも、シーンごとの直しが中心なので、さして気になりませんでした。
これは常々言ってることだけど、放映当時は違和感もあった、カミーユの行動の唐突さも、実は今からふりかえると、青少年をめぐるその後の状況の変化を先取りしていたんですね。
そもそも、「切れる子ども」なんて発想、まったくなかった時代の作品なのです。
こんなこと言うと富野さん怒るだろうけど、カミーユのキャラの延長上に、実はエヴァのシンジがいたりするのだ。
アムロのキャラは同時代的にもきわめてわかりやすい。
一方、少年のありようとしては、カミーユはあまりにも時代の先を行っていたのであります。
そう最近の言いかたからすると、「世界、関係ないや」っていう、いわゆる「セカイ系」ですな。
むしろ、キャラがらみの芝居で気になったのは、放映当時とは逆に、ティーターンズの「邪悪さ」が、余りにもわかりやすかったことの方。ポスト・フセイン、ポスト・対イラク戦争の今、必要なのは、『華氏911』的なわかりやすさではなく、世界の本当の現実と同様に、同時代的にはわかりにくい、「邪悪」と「正義」の不条理なありかたではないだろうか?
『Ζ』ってのは、ほかの点でも時代の先をいっていて、例えば、ヴァーチャル・リアリティーを応用した全周コクピット。今はHRP2プロメテ(出渕裕デザイン)と合同で研究されている全周コクピットとの違いというと、後者がヘルメット・マウント・ディスプレイを併用していることと、現実のコントロール時姿勢が中腰のニュートラルなものであることくらい。
そもそも、ヴァーチャル・リアリティーさえほとんどなじみがなかった時代の作品なのだ。もっとも、ヴァーチャル・リアリティーの表示のノウハウも確立されてなかったので、Ζでは、乗ってるMSの体や腕をどう表現するか決められずに、演出でごまかしちゃってるのだけどね。
というわけで、知られたシリーズの再編集+リメイクという制限の範囲内で評価するなら、ドラマ部門はほぼ満点。第二部、第三部も、今回と同様、シーン単位でリメイクするなら、TV放映とどう変えてくるか期待はきわめて大といったところ。
で、むしろ、気になったのはメカの方。いや、新作部分も含めて絵の方には文句がないというか、キャラと同様、絵的には文句はない。
だけど、プラモやオモチャ商売の関係ではしょるわけにはゆかないMSの嵐がちょっちつらい。
予備知識のない観客は、むしろ、出てきては退場するMSアクションで混乱するのではないだろうか?
だけども、ΖのMSのラインナップがあいかわらずの人気だからこその劇場版であるわけだし、つらいつらい。
しかし、そのつらさを措いて、Ζをすでに知ってるひと向けということで観ると、いやあ、富野さんうまいや、編集の手腕といったら絶妙ですね、
ええと、ここはあそこからでとか、うろおぼえの記憶をさぐりながら観てたら、頭ぐるぐるになってしまいました。
ファーストの劇場版第二部、ジャブローの戦闘シーンを、ここはあの回のあのカットからの流用で、lここはあそこでと、まだセミプロだった河森正治さんの解説つきで見たのを思い出してしまいました。
ほんと、血涌き肉躍ります。
香港編が観たい! かっこいいサイコダンガムをもう一度、体験したい!
大気圏脱出も、新作カットで観たいよお。
で、尺考えたらしょうがないけど、大気圏再突入後の流星雨だけは、こちらも新作カットで観たかったなあ。星空を見上げるアムロ、降り注ぐ死の星屑たたち、なんてね。あっ、時差と時刻があわないか。